「砂の上の植物群」を読んだ
買ったまま読めていない本を最近粛々と読むことにしている。
「砂の上の植物群」を買ったのは多分大学生のときで、某テキストサイトの萌える文学を紹介するコーナーに取り上げられていたから。何やらえろそうなのを期待して買ったまま6年くらい本棚の隅に放っていてしまった。
読んでみると、思ったよりえろくなくてそこについてはやや期待外れ。確かに主人公のおっさんが、セーラー服の女子高生に真っ赤な口紅塗らせてるところ犯して興奮したり、20代前半のその子のお姉ちゃんに妹の制服着させてるところ犯して興奮したり、その状態で姉妹どんぶりしたり、まぁえろいけど、まぁねって感じ。
多分主題であるところの、主人公(38歳)が、自分が中学生の頃早世した父親に対してのコンプレックスが気持ち悪くて印象に残った。
父親は、30代前半で現在の彼より若くして亡くなっている。どうやら洒落者で女性方面も派手だったらしい。主人公の妻は、高校生の頃美少女で、父親の絵のモデル(着衣)をしていて、主人公は妻と父との間に当時性的な関係があったんじゃないかと今で
も疑っている。多分それにちょっと興奮してる。
主人公は元夜学の教師で、教え子の女子高生に恋したことが原因で退職しているんだけど、その子とのことを考えると、かつての父親と若いころの妻との関係も重ねてしまいもやもやする。多分それにちょっと興奮している。
そしてさっきの姉妹どんぶりのお姉ちゃんの方が、実は父親が芸者に産ませた子ではないかという疑惑が浮上する、そのあと、実は違ったということが分かるんだけど、あからさまにがっかりしている。
なんなの?とーちゃんとやりたいの? なんなの??
父親と重なり合いたい気持ちが気持ち悪くって、いい気持ち悪さだった。
しかしながら一番心に残っているのは、序盤で主人公の学生時代の友達が電車で痴漢した女の人に警察へ突きつけられて、釈放されたのちに語っている痴漢哲学なのだった。
大学生の頃、僕はずいぶん痴漢的行為をやったものなんだ。誰にも言わなかったけれど。いや、その行為が僕の青春だったともいえる。
電車が目的地に着くまでの、掌と軀の部分だけの関係で、それ以上を求めないのがエチケットとも言えるね。
一晩留置所で考えたが、電車の中の行為はやはり青春の時期に属すべきものだ、と分った。その時期には、痴漢的だが、痴漢ではない。現在では痴漢になってしまう……
もう何がなんやら!!!
ブログとか久しぶりすぎる。文章かくのってむずかしいのね。がんばろ。